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現役薬機法ライターの勉強法を大公開!医療ライターが知っておくべき薬機法の学び方

医療従事者が医療ライターとして活動をしていくと、1度は立ちはだかる「薬機法の壁」に悩まされるでしょう

薬剤師ライター

ゆまっちさん

現在は薬機法の仕事をメインで行っている筆者も、ブログやSNSで発信を始めたばかりのときは、見事に薬機法に悩まされて書けなくなってしまいました……

しかし、美容や健康について発信する際に、知っておくべきポイントがあるとご存知でしょうか。このポイントさえ押さえてしまえば、薬機法は怖くないことに気づきました。

この記事では、医療ライターとして知っておくべき薬機法の学び方を解説。薬機法の壁に悩まされてから、薬機法ライターとして案件を獲得できるようになるまでの筆者の体験談を踏まえてお伝えします。

ぜひあなたもポイントを押さえて、薬機法を意識したWebライティングにチャレンジしましょう!

医療ライターが、薬機法で知っておくべきこと

まずは薬機法がどんなものかを知っておかないと、なぜ学ぶ必要があるのかもわからないですよね。そこで、医療ライターが知っておくべき薬機法について簡単に解説していきます。

薬機法の対象となるものを理解しておくと、どんな案件で必要になってくるかご自身で判断できるようになりますよ

薬機法について

そもそも薬機法とはどのような法律か知っていますか?ここを押さえておかないと、どんなときに薬機法が必要なのかわからなくなります。

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。[1-P.3]
医薬品や医療機器などの製造から販売、そして販売後にわたり、有効性や安全性の確保のために必要な規制を行うための法律です

「医薬品、医薬品等」とは下記の5つのことを表しています。

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器
  • 再生医療等製品

医療ライターであれば、これら5つについて販売や、有効性や安全性にかかわる情報発信をする機会も出てくるでしょう。そのため、薬機法は知っておいて損はありません

改正薬機法でスタートした「課徴金制度」を押さえよう

ここ数年で、薬機法はますます注目を浴びています。その理由の1つが薬機法が改正されて2021年8月1日よりスタートした「課徴金制度」でしょう。[2]

これまでは、薬機法違反があった場合は罰則として罰金制度がありました。
けれど中には罰金額よりも売上向上による利益確保を優先し、広告違反をする事例が多く確認されたため、この度「課徴金制度」が導入されることになったのです

「課徴金納付命令」の発令前には、行政処分として「措置命令」や「業務停止命令」が発令されます。これらが発令された場合、医薬関係者や消費者に違反したことを周知徹底し、再発防止策を講じて違反行為を繰り返さないことが定められています

実際の体験談を特別公開!ゼロから薬機法を勉強するための3ステップ

ここからは、筆者が薬機法ライターになるために知識ゼロから薬機法をどのように学んだかをお伝えしていきます。

薬剤師ライター

ゆまっちさん

この3ステップを試していくことで、薬機法をプラスαの武器としてスキルアップできるはずです!

①薬機法を網羅しなくても大丈夫!医療ライターが知っておくべき内容をインプット

医療ライターとして、薬機法すべての情報を網羅する必要はありません。
薬機法の中でも「広告」にかかわる内容をしっかり理解していれば薬機法ライターとしては十分です

薬機法では「下記のいずれの要件も満たす場合に広告に該当する」と定められています。[3]

顧客を誘引する (顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
一般人が認知できる状態であること

引用:厚生労働省 医薬品等の広告規制について

また、薬機法では、第66条から第68条までの規定及び「医薬品等適正広告基準について」に基づいて広告の監視指導が行われています。[4][5]
まずは上記にどのような内容が記載さているのかをしっかり理解することから始めましょう

薬剤師ライター

ゆまっちさん

法律なので、言い回しが難しく読み解くのが慣れるまで時間がかかるでしょう。
もっとスピーディーに学びたい場合は、民間の薬事法専門資格が取得できる講座や薬機法ライター向けの講座も開催されています。[6]

自分のペースで独学で学ぶこともできるので、自分にあったやり方でインプットしましょう。

②健康系の記事や広告をリサーチ

薬機法の知識を習得しても、Webライティングに活かせるのか不安になることもありますよね。インプットをしたらアウトプットして理解を深めることが大切です

筆者のおすすめの方法は、独自で気になる商品のチラシやホームページ、ランディングページなどをチェックすること。薬機法を意識してどのような表現で商品の魅力をアピールしているのかを確認してみましょう。

薬剤師ライター

ゆまっちさん

中にはこの表現って大丈夫かな?と気になるものがあるかもしれません。そのような表現の判別ができるようになれば、あなたの薬機法の知識がしっかり習得されて生きている証拠です

また、これはうまく薬機法を意識して表現しているなと思う文章は、ぜひメモしておきましょう。いいなと思った表現のストックは、今後の薬機法ライティングに活かせること間違いありません。

③薬機法に関する案件に応募して実績をつくる

薬機法について理解できたら、思い切って薬機法ライティング案件に応募しましょう。

薬剤師ライター

ゆまっちさん

やはり実際の経験が1番スキルアップに繋がります。単価が安くても、まずはクラウドソーシングでどんどん応募して実績を作りましょう

ただ、クラウドソーシングではなかなか薬機法関連の案件が獲得できないとの声もあります。その場合は、ご自身のブログなどでポートフォリオ用としての記事執筆がおすすめです。

薬剤師ライター

ゆまっちさん

実際に書いてみることでの学びはとても大きいですし、記憶に残りやすくなりますよ。

薬機法関連の業務における注意点

いざ薬機法関連の依頼を受けるとき、もしものことを考えると責任が取れないと不安になり、なかなかチャレンジができないという方もいるかもしれません。

まずは責任を明確にしておくことそして根拠をもって執筆することが大切になります。
ぜひ下記を参考にしてチャレンジしてみましょう。

業務後の責任を明確にしよう

薬機法案件は法律が絡むため、万が一のことを考えると手を出しにくいという方もいますよね。

まず薬機法ライターは「薬機法を遵守しているライター」であり、薬機法の専門家ではないことを前提で対応しましょう

筆者は自身のLPやクラウドソーシングのプロフィールに下記の内容を記載しています。

「当社は弁護士の職務領域とされている法律事務(弁護士法72条)にかかわる業務は取り扱っておりません」
(弁護士法72条とは「非弁護士による法律事務の取扱い等」を禁止する内容になります)

「地方庁によって薬機法・医療法に関する見解が異なる場合があります。情報の完全性は保証いたしません。当方から得た情報を元にして生じたいかなる被害についても、一切の責任を負いませんのでご了承ください」

薬剤師ライター

ゆまっちさん

実際、薬機法ライティングの依頼を受ける際に、業務後の責任についてのトラブルは一度もありません。

「この表現は大丈夫?」と迷った時は

Webライティングをしていくと、どう表現したらいいか迷うことがありますよね。
そんなときに筆者が参考にしているサイトを紹介します。

1.医薬品等広告講習会資料

画像引用:医薬品等広告講習会資料

毎年、東京都福祉保健局が「医薬品等広告講習会」を開催しています。
こちらで配布される資料には、薬機法の広告規制に関する基本的なものから最新の情報までが記載されており、とてもわかりやすいです。[7]

薬剤師ライター

ゆまっちさん

講習会では質疑応答の時間があり、すべてではないですが行政担当の方が回答してくださるので、参加をおすすめします!

2.Yahoo!広告ガイドライン

画像引用:Yahoo!広告ガイドライン

Yahoo!JAPAN広告のサイトにて、薬機法関連の情報をわかりやすくまとめています。
動画コンテンツもあり、ネット広告で知っておくべき情報がわかるので、初心者の方は一度チェックしてみてください。[8]

3.無料薬事広告表現チェックツール

画像引用:無料薬事広告表現チェックツール

気になる表現に対して薬事チェックでひっかかるか不安な場合は、「薬事法 広告表現チェックツール」で問題ないか確認するのも1つの手です。無料ツールであり、あくまで参考程度にはなりますが、迷ったときにぜひ活用してみましょう。[9]

薬機法を意識して信頼に繋げよう!

薬機法とはどんなものか、医療ライターとしてどんなことを知っていればいいかをお伝えしました。
インプットをしたら、まずは実際に広告をチェックしたり、記事を書いてみたりとアウトプットしてみましょう。アウトプットを通して、新たな気づきや学びがありますよ。

薬機法は法律なので、随時情報のアップデートがありますし、奥が深いため終わりがみえなくなるかもしれません。

薬剤師ライター

ゆまっちさん

しかし、知れば知るほど、薬機法は怖いものではなく、最低限のルールを守れば怖くないことがわかります!

そしてその学んだ知識を必要とするクライアントは多いので、ぜひ活かして医療ライターとしての活動の幅を広げていただければと思います。

この記事の執筆者

薬剤師ライター:ゆまっちさん

昭和大学薬学部卒。病院、調剤薬局、ドラッグストアと幅広く薬剤師として経験。特にプレコンセプションケアをはじめとした”女性の健康”に特化したサポートが得意。
現在は薬機法ライターとして活動中。法律を意識しながら魅せる言い換え表現が武器。また薬機法ライティングについて講師業も行い、活動の幅を広げている。

Twitter:https://twitter.com/pmdwriteryuma
ゆまっちさんも受講、添削付きオンライン講座「医療ライターのはじめかた

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。